クーラーバッグ

osamuharada2016-07-30

クーラーバッグは夏の必需品だけれど、買い物用だからデザインで選んだりはしなかった。食料調達の帰りに冷やしておければそれでいいもんね。しかし銀ピカのアルミ製や、発泡スチロールの水色や白のボックスに入れたんじゃ、せっかく産地を選んで買った食材もマズそうに見えちゃう。業務用だから何だっていいようなもんだが、持ち歩くのに元グッズデザイナーとしては、どこか不満足なままだった。というようなワケがあって、先日たまたま、銀座のソニプラで、藤の籠をビニールに写真プリントしただけのクーラーバッグを見つけて、ひと目惚れしてしまったのですよ(この写真)。藤で編んだ籠のフェイクになってるところが、ちょいと POP ART していて微笑ましいでしょ。軽くて、ジッパーを開ければ中は銀ピカの、保冷剤を入れれば完璧なただのクーラーバッグです。これなら夏は玄関の片隅にも置いておけるな。たまたま見つけた安物だけれど、ぼくの今夏「グッドデザイン賞」です。
ところで銀座は数寄屋橋交差点角の SONY PLAZA も、もうじきソニービルの建物ごと壊されちゃうそうですよ。ドレミファの音の出る階段もなくなる。 60年代後半にできた当時は、日比谷に古くからある AMERICAN PHARMACY と同じく、ヤツガレにとってはフランチャイズだった。当初は店内にソーダファウンテン風の大きなカウンターがあって軽食もできたっけ(旨くはなかった記憶あり)。扱う商品は、欧米の輸入品が中心で、初めは日本製をほとんど置いてなかったと思う。やがてオリジナルグッズを出し始めた頃から、つまらなくなって足は遠のいてしまった。そして久々に通りがかって買ったこのクーラーバッグ (中国製) が、懐かし銀座ソニプラでの、最後の買い物になってしまったな。