イームズのラウンジチェア

osamuharada2007-12-09

よく晴れた日、そろそろ青山神宮外苑イチョウが見頃かなと思って散歩にでかけた。何か音楽を聴きながら歩いてみたいなァと前から思っていたので、友達から借りていたiPodを試してみた。しかし一歩外に出ると車や街の音がうるさいため、ヴォリュームを上げざるを得ない。しばらく歩くと、イヤフォンで聞く音は、脳の中心で鳴り響くような奇妙な不快感があると思った。 外苑のイチョウ並木は、13歳から23歳まで青山一丁目に実家があったため、近所のお馴染みで懐かしいはずなのが、「いちょう祭り」なるもの開催中でもの凄い人出、露店まで出ている。どっかが狂ってるヨ。たちまち懐旧の気分がゼロになった。 そこでさらにヴォリュームをあげたら、今度は頭の中の音楽が、自分自身の悲鳴のようになりそうだったのですぐ止めた。こんなもので音楽は聴けないやと、つくづく実感したのは、単にこっちのトシのせいなのか? いちょう祭りが悪いのか? 
というような苦い体験の後、部屋に置いてあるオーディオで、改めてジャズやロックにクラシックをじっくり聴きなおしてみました。やっぱり、コレですよ。音楽に包み込まれる感覚。目の前で演奏をしているかのようなオーディオの臨場感。  そしてさらに、もっと良く聴くには、すわり心地の良い椅子にドッカリ座ること、コレに尽きるでしょう。ぼくにとっては、写真手前にあるイームズ・ラウンジチェアとオットマンのことです。これは四十代の働き盛りに買った時には、座るとすぐ眠ちゃうだけの椅子でしたが、五十代からはユッタリと音楽を聴くための椅子になりました。聴くことがまず楽しくなる魔法の椅子です。オーディオに対して、頭を置く位置や角度が丁度よくて楽チンなんですよ。いくら聴き続けてもゼンゼン疲れない。曲によっては宙に浮いて全身トリップ状態にもなれちゃうというナチュラルハイあり。1956年のデザインだから半世紀、ほんとに多く世界中の人々に愛され、座られてきた椅子なんだなァというのがよくわかる。 ちなみに奥にあるイームズ・ソファ(1984年イームズ・オフィス最後のデザイン)は、仕事などの打ち合わせ用にピッタリだけれど、音楽適性はあまりよくありません。背筋をシャンとして座っちゃうソファなので、頭は冴えます。 ついでながらぼくの音源はコレ(id:osamuharada:20050326) オーディオマニアではありませんよ。好きな音楽を楽しむだけの装置。