東京五輪デザインノート

osamuharada2015-09-03

「パクリ」疑惑の渦中にあるデザイナー氏は、わが母校と同じ多摩美術大学グラフィックデザイン科の出身で、去年からは母校の大学教授に就任しておられた。
そして多摩美の宣伝物にも教授自らがデザインをされていたのだが、ネット上ではとうとうその多摩美デザインにも「パクリ&コピペ」が発覚してしまった。この問題に大学側がどう対処するかはまだ公表されていない。しかしこれはデザイン科の存立危機にまで及ぶ問題に発展するでしょう。さてどうする、晩節を汚してくれたわが母校、多摩美術大学
このドタバタ騒動の発端となったベルギーの裁判は、いよいよこの22日からスタートします。これは商標権といった商法上の(商売のための)訴訟ではありません。国際的な知的財産権(文化芸術のため)をめぐる裁判になるのです。訴訟の傍証として、グラフィックデザイナーが出身校の美術大学で教授となりパクリやコピペを平然とやっていたら、反証の余地などまったくないのでは。
この裁判は単純な商標権問題とはちがって、歴史あるベルギー国王の劇場と敵対することになります。地図上は小国でも、ヨーロッパをいまも厳然と支配しているのがベルギー国王やオランダ国王なのです。あのユーロの本部はベルギーの首都ブリュッセルに置かれていますよ。相手国を甘くみていたとしたら、とんだ地雷を踏んだ裁判にもなりかねないと思うのですが。
専門的な話(ご興味ない方はパスしてね)になるけれど、シンボル・デザインの著作権問題は、たんに見た目が似てる似てないかだけではありません。そのデザインを構築するための、いわば設計図そのものに著作権があるのです。ベルギーのリエージュ劇場ロゴ・デザイナーであるオリビエ・ドビ氏は公表されています。(上の写真:http://www.debie.com/display.php?JobCatID=1&JobID=0150)まず正方形の中心から同心円が描かれ、全体を包括する外側の円周がどういう比率で算出されたかがよくわかります。劇場名の「T」と「L」のセリフもこの円周によって導かれています。そこに内在する円周は、東京五輪エンブレム「隠された日の丸」の円周とソックリの構造(Constraction)ではないですか。もっとも疑惑デザイナー氏原案?の「T」は三角形で、円周は無かったことになっている。では誰が後でこの円周(日の丸)を挿入させたのか? 突き詰めればパクリ(著作権侵害)の真犯人が浮かび上がってくる可能性もあるでしょう。これから始まるリーガルミステリー、目が離せなくなりそうです。
問題の多摩美デザイン http://netgeek.biz/archives/47637 (米国からパクリ中国からコピペ) TAMABIが沈められ溶解する不吉な予見か。しかもコレでデザインの殿堂 NEW YORK ADC AWARDの金賞をとったとは驚愕せざるを得ない。(多摩美はコレを何の説明もなくHPから削除したもよう)