犬の写真

osamuharada2010-08-13

終戦記念日が近づくと、恒例になっているTVの戦争特番などを、ついつい見てしまう。そして何がなんでも戦争だけはゴメンだなあ、と改めて思う。リアルな戦争体験者の数も、年齢的に減ってきているので、こういう貴重な番組は次第に作られなくなるだろう。また若い世代からは、「暗いから」というような馬鹿げた理由だけで、関心を呼ばなくなるのだろう。そしてやがては、戦争の記憶そのものが風化してしまう。ディランの歌の如く、The answer is blowin’ in the wind. なのだろうか。
芸術新潮八月号のコラムに、ぼくは写真家林忠彦の作品「犬を背負う子供たち」を選びました。(上の写真はその部分です)特にこの犬の表情が好きなのです。これについては、以前このブログに、ちょっとだけ書きました。→[id:osamuharada:20080519]   東京大空襲の焼け跡(三宅坂参謀本部跡)で、敗戦のあくる年(昭和二十一年)に撮影された、浮浪児と犬の写真です。戦後のひどい飢餓の時代であるのに、少年は自分たちの食べ物を、この歩けなくなった犬にも分け与えていたのだそうです。
ぼくはこの写真の撮られた年、同じ昭和二十一年の生まれなので、特にこの写真には、余計に思い入れがあったのでとりあげました。さて、ぼくの芸新コラムのほうは、この号で店じまいいたしました。ほんとは、二月号の小村雪岱特集の後で終了したかったのですが、いろいろあって八月号までは、なんとか続けました。ながらく芸新をお読みくださっていた方々には、厚く御礼申し上げます。また、どふでもよゐことですが、やめちゃった個人的な理由については(美術に興味ある人がいるかもしれないので)、後日ブログに蛇足ながら何か書くかもしれません。