グラナダ陶器

osamuharada2006-09-18

スペインの南、アンダルシア地方のグラナダは、イスラムが15世紀まで勢力を保っていたので、陶器やタイルなどにアラベスク模様の名残が今に続いています。といっても最近のグラナダ焼きはどこか民芸的な素朴さや味が薄くなってきて、その絵付けにも、ひなびた感じが失われているように思えます。この写真の茶碗は、かなり古いグラナダ焼きなので、形もいびつで絵付けにも古拙な味わいがあるので気に入っているものの一つです。グラナダ焼き特有の群青色と緑色にも、彩度高く濡れたようなコクがあって、デジカメでは出ていませんがとてもいい発色なのです。サイズはティーカップに小さいし、コーヒーカップには平べったいから、何に使ったものかいまひとつわかりません。ぼくはオリーブを入れたり、アイスクリームやシャーベット用に使って30年近く愛用しています。島根県は湯町窯の陶器類と一緒に使っても相性が良いです。
むかし骨董屋さんで買ったものなので、その時すでに古かったから、今はもうアンティークと呼べるかな。たかが茶碗といっても、長年使っていて未だに飽きる事が無く、新鮮な美しさを今も感じられるということは、いったいどういうことなのか?つい(ヒマだから)考えてしまうことがあるのです。