紙袋のデザイン

osamuharada2016-06-25

展覧会準備のため、アトリエの物置小屋で資料の探しものをしていたら、ヨレヨレになった古い紙袋が一枚でてきました。とても(個人的に)懐かしい。これは Osamu Goods のデザイン版下を入れるために特注していた紙袋です。当時は各グッズの製造メイカーに原寸大で版下(印刷用)を手渡すため、大きな紙袋が必要なのでした。つまりデザイナーとメイカーの間だけで運ばれる専用の紙袋。すべてデジタル信号で電送される現代では、無用になった紙袋ですね。
「ダスティー・ミラー」とあるのは、オサムグッズを販売するための子会社で、製造元の「コージー本舗」が親会社にあたります。この名前 DUSTY MILLER とは、ぼくがアメリカの植物図鑑から引用した、小さく白い綿毛のような花が咲く地味な草花の固有名詞なのでした。粉引き小屋という、言葉そのものも可愛いなと思ったのでした。ただの思い付きの会社名でしたが、ひとり気に入っていました。
そして、どうせ市販の紙袋を買うくらいならぼくがオリジナルのデザインをするよ、とまったくの趣味でスタッフ用に作ってあげたこの紙袋。筋目ハトロン紙という紙は薄いのでマットコートを施して強化してあります。よく安い業務用の封筒なんかに使われる筋目の入ったハトロン紙で、この色と風合いがもともと好きなのでした。当時のぼくのイラスト専用の紙袋も、この筋目ハトロン紙を使って自分用にデザインしていました。
ロゴのデザインも、新たにこの紙袋用に起こしたのですが、内輪でしか使わないからか誰もデザインに文句を言わないのをいいことに、まったくの好き勝手で趣味的だったなあ、とあらためて思います。いわばロゴ・オタクだったわけよね。文字の刷り色は、この写真の濃緑色と、他に朱色の2種。印刷インクの下を紙の筋目が透過するところがミソです。大中小のサイズがありました。デザインに興味ない方には、どうでもいい余計な話でしたね。拡大写真→ http://osamuharada.tumblr.com/