六本木裏道さんぽ

osamuharada2009-11-16

六本木の交差点に立つと、いつも目まいがする。十代の頃の60年代には、友だちの家や店もあり、ぼくにはノンビリとできた隣り町であったのだが、やがて高速道路が横断するとドンドン六本木は様変わりしだした。70年代高度経済成長、さらに80年代バブル経済とその崩壊で、90年代は無惨な姿になったあげく、21世紀はヒルズだのミッドタウンだの再開発騒ぎで湧いたのもツカの間、おりからの大不況で、さらに貧相で下品な街になっちゃった今日この頃であります。いよいよ来年あたりから本格的に始まるらしい大恐慌下で、今度はどんな変貌ブリをとげるのか、散歩するのがいっそ楽しみになってきそうだよな。
その六本木の裏道で、戦後から今も変わらない場所があります。いつまでも変わらないからといって、とても嬉しいなァというワケじゃないんですよ。 戦前は日本陸軍のあった土地のうち1万坪が、戦後アメリカ軍の占領が終わった後も返還されないまま、今でも米軍基地なのです。ウッソ六本木にそんなとこ信じレナーイッ!という君に、特にお散歩おすすめしちゃいたい。 六本木ミッドタウンから国立新美術館前の坂を下って、青山墓地の手前にソレがあります。 世にもつまらない国立新美術館(現在は日展なんぞやってますよ)の庭先には、米軍基地専用のヘリポートがあって、毎日のように横田や厚木、座間のあたりから米軍ヘリが、バリッバリ大轟音をたてながら飛来しています。国立新美術館のつまらないカフェにいても、友人の話し声が聞こえなくなるほどウルサイのよ。ついでながら、この美術館、美術所蔵品を一つも持たないところが「新」だというのだから凄いぜ。 英語名だとThe National Art Center ってことになっていて、Museum (美術館)とは書いてない、という詐称までしてるところがエラい。念のため、あのアート引越しセンターとは違いますよ。
写真は、青山墓地側から、有刺鉄線が上に走るフェンス越しに見たところ。ここは「在日米陸軍地区」なんだから、「立ち入り禁止」だぞの看板。門側のほうで撮ろうとしたら日本人の門番さんに怒られちゃうよ。「違反者は日本国法律により罰せられます」って書いてあるんだから。 今日の裏道散歩で基地の周りを歩いて気付いたコト。これじゃあ、沖縄の普天間基地返還などアリエナイだろうな。とうとう民主党にまで騙されたウチナーンチュが気の毒になった。