ファッションと音楽

ペーター佐藤の Fashion Illustration は、1979 年に仕事場をニューヨークへ移した頃に完成したと思います。この年のファッションは最新の音楽シーンとも深く関連していました。ロンドンの PUNK がニューヨークへ渡り NEW WAVE が始まった頃のことで、ペータ…

FASHION ILLUSTRATION 展

わが親友ペーター佐藤が逝ってから二十一年が過ぎました。80年代のニューヨークでは、ファッションイラストを描いて時代の先端を歩いていた。日本ではバブル経済でファッション界も大盛況といった頃、ペーター描く美人画は一世を風靡した感がありました。 …

肉食系です。

いまだに肉が好きで、これはトシをとっても変わらないのです。量はだいぶ少なくなってきましたが、そのぶんもっと旨い肉を食べたくなる。食の好みは人それぞれだけれど、オヤジも最晩年まで肉好きだったから遺伝なのかもしれないな。肉食の家系です。おもに…

推理小説ファン

北欧ミステリー【 ミレニアム4:蜘蛛の巣を払う女 】を、あっという間に読み終わって、つくづく推理小説はまだまだ面白いなと思った。このミレニアム・シリーズは、最初に映画で見て気に入り、ただちに1、2、3と原作本を読んですっかり愛読者になった。…

台湾の博物館

それからまた【国立台湾博物館】にも行ってきましたよ。去年に引き続き、台湾原住民族の「文身」(TATTOO:刺青)の展覧会が開催中。いまなお健在なパイワン族の女性を、新たに取材したビデオで構成されている。女性の手の甲に施されたタトゥー。その最後の…

台湾の犬

台北の夜、食後に裏通りをブラついていたら、屋台の焼鳥屋のあたりを徘徊している雑種犬を見つけた。ヤツガレはどこを歩いても犬猫を見つけるとつい一言話しかけるクセがある。このコは屋台の周囲に落ちている客の食べカスをあさっていた。「ここで何してる…

台湾にて

今年も故宮博物院で、文人画家「董其昌」展を観ました。富岡鉄斎が座右の銘とした《 万巻の書を読み 万里の路をゆく 》の董其昌です。二日間通い、じっくり勉強させていただきましたよ。唐から始まって五代、宋、元、明の山水画の系譜を集大成して、文人画の…

映画「オデッセイ」

俳優マット・デイモンを好きになったのは、アクションもの「ボーン」シリーズが始まってからで、それまでの文芸映画では生真面目な感じがしすぎて、ぼくにはちょっと物足りなかった。こんどの『オデッセイ』は、リドリー・スコット監督で3DのSF映画だという…

北園克衛の短編小説

北園克衛の短編小説集『 黒い招待券 』は、1964年に上梓されている。そのINTRODUCTIONには、《 ある秋の日の、ひさしぶりに空の美しい日であった。閑散とした山の手のとある坂道をくだりながら、ふと、私がこれまで折りにふれて書きつづけてきた短い物語を集…

邪馬台国日乗

また沖縄県立博物館へ。沖縄本島北谷(ちゃたん)の沖で発見された海底遺跡は邪馬台国である、という木村政昭先生の有力仮説を再確認。こんなに魅力的で、しかも論理的に首肯できる世紀の大発見を、完全に無視している博物館というのも珍しい。陸側の北谷周…

ブログ&タンブラー

この【 ブログ 】を書きはじめて、はや十二年目。 最初の2005年は、『 OSAMU GOODS STYLE 』を上梓する予定だったので、その出版のお知らせをかねて何か書いてみようかなと、ほんのデキごころ。当時はブログが流行り出したころでもあり、好奇心がつのっ…

雑誌とトレンチコート

いまや雑誌は買わずに立ち読みですましていますが、70年代イラスト稼業についたころは、出版社が一度でも仕事をすれば毎月その雑誌を送ってくれるようになったので、買わずに定期購読者になっていました。大昔はイラストレーターといえども大切に扱われて…

二〇一六年

週刊誌は買わないけれど、週刊文春の小林信彦さんのコラムだけは、いつも立ち読みさせていただく。しかし、以前は辛口の社会批評をたびたび目にしたが、このごろは映画とテレビドラマの話題ばかりになってしまった。古い映画の話などは、本にまとまってから…

スター・ウォーズ

孫にせがまれて正月映画『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』を観にいきました。他には「妖怪ウォッチ」か「仮面ライダー」という苦しい選択肢しかないので仕方がない。3Dで日本語吹き替え版。お子チャマ映画などみたくはないが、これも付き合いというもの…

ゆく年くる年:半世紀前

50年昔といえば、ヤツガレも美大のデザイン科(いまやパクリで有名校)の頃です。アメリカンポップスで育ったような十代でしたが、《1965年》は、ビートルズブームの到来で、ヒットチャートも英国調に様変わり、こちらが聴く曲も変化しつつある頃でし…

ゆく年くる年

去年にくらべて今年、世の中は笑劇のごときアベ独裁政権のおかげで、さらに終末感が深まったような気がしています。去年はコレでしたが→[id:osamuharada:20141226] 特にひどくなったなと実感するのが、マスコミの大政翼賛ぶり。新聞が売れなくなったので、新…

お笑いデザインノート

今年は最後まで、東京五輪デザイン騒動で楽しませていただいた。 【 新国立競技場デザイン 】では、撤回されたザハさん(イラク出身)の「生ガキ」原案のかわりに、こんどは純国産にこだわり「和テイスト」に変更されたよし。A案は「法隆寺」をイメージし、B…

ジャーマン ベーカリー

デジタルリマスタリングされた小津安二郎監督作品を、大型テレビにて再見。 すでに何度も観て、見慣れた映像であっても、改めて見ると美術の細部までくっきり映し出されているから、小道具類もぼくには新鮮で見飽きることがなかった。 ‘60年『秋日和』で、司…

邪馬台国にて

冬の沖縄本島南部は、今日も初夏の天候のようで爽快。Tシャツひとつで暮らせる。それにまったく暖房費と衣料費がかからない。魚介と野菜果物は地産地消ですむから食費もかさまない。ただ米に関しては、沖縄食糧が福島産米を食べて応援することにしたそうなの…

PATER’S GALLERY 三十周年

「ペーターズ・ギャラリー」が始まって、今年で三十周年目だと聞き、ひとり万感の思いにかられる。光陰矢の如し。 確か、最初の展覧会が「パレットくらぶ展」だったと思います(その後、毎年の恒例になりました)。古い木造の貸家が空いたのをリノベして、白…

映画と美術ノート

好きな【女優で観る】:英国のヘレン・ミレンの新作 WOMAN IN GOLD・ 邦題『 黄金のアデーレ・名画の帰還 』を観ました。好きではないが クリムト の絵がテーマになっているので、さらに興味津々。初日に予約して入った映画館はガラガラ(観客5人)でした。…

ポン友

オヤジは、旧友のことを「あいつは俺のポン友だよ」などとよく言っていた。中国語の「朋友」からきている外来語で、昭和ひとけた世代まではよく使われていたようです。「ポン友」とオヤジの口調で聞いていたせいか、若い頃からの遊び仲間で、会えばすぐ昔に…

東京外食事情

さすらいの渡り鳥、生まれ故郷の東京へ戻ると「外食」で難渋しています。誰がなんと言おうともヤツガレは〈ベクレルフリー飲食主義者〉に転向してしまったので、世界50ヶ国が輸入を規制している東日本産の食材は口にできない。食べて応援しているのは西日…

東京の悪口

愛読しているユーモア作家・獅子文六に、『東京の悪口』(1959年刊) というエッセイ集があります。そのなかの一節。戦後、地方から東京へと流入する人口が急増したので、東京人としては息苦しさを感じるようになってきた。そこで文六先生は東京の人口密度を下…

秋の読書ノート

絶好の秋日和。朝は、散歩がてら摘んできた草花を竹籠にいけて、煎茶を喫す。このところ午後はもっぱら読書を楽しんでいます。相変らずの乱読ですが、いま読んでいた本をちょっと紹介してみます(が、あまりに個人趣味すぎてつまらないかも)。 まず今秋の読…

映画女優ノート

東京の映画館で、新作映画を「好きな女優で観る」したいなあと思っていたら、タイミングよく、その名も『アクトレス 女たちの舞台』が始まっていた。原題は ” SILIS MARIA ”。最近気に入っている18歳の【 クロエ・グレース・モレッツ 】ちゃんと、これも最近…

す. 鈴木信太郎

過日、鈴木信太郎の人形柄の風呂敷(絹ちりめん製)を手に入れた。むかしデパートの三越謹製で売られていたものらしい。半世紀ちかくたっているのに、新鮮だなあと感心してしまった。古いヨーロッパの郷土人形がモチーフだから、これを描いたときすでにクラ…

よいこのオリンピック

勝ち負けがあるスポーツ嫌いとしては、我慢に我慢をかさね覚悟のうえで孫の運動会につきあった。しかしまだ幼稚園児では、勝敗よりも、思いっきり身体を動かすことのほうが嬉しいらしい。これぞ「 勝つことではなく、参加することに意義がある。」という、本…

デザイン業界 異聞

7月 SNSで火がついた東京五輪エンブレム騒動。8月に本人のパクリ釈明会見でさらに大炎上。9月にはエンブレムの中止会見。それを受けて 劇場 vs.五輪の紛争は終了。10月に入ると、こんどはエンブレム審査そのものに不正が発覚。「公募」以前から決められ…

ぼくの COLLAGE

さわやかな秋日和には、俄然として絵を描きたくなってくる。ヤツガレの場合、自分の「絵」とは「ABSTRAIT」のことなので、稼業であるイラストやデザインの職人仕事とはまったく別のものと考えています。ただ自分のためにのみ、ひたすら自由気ままに描いてい…